多様性で
私たちはあらゆる場所のあらゆる人たちに奉仕します。ライオンズは、一体感と調和によって実現し得るよりよい世界の燦然たる見本です。私たちは、人助けを行うパワーと実力で知られています。そして、それは多様性を通じてのみ可能なのです。
ウィ・サーブ
多様性はあらゆる違いを乗り越える架け橋です
奉仕で調和を生み出す
国際会長 ジュンヨル・チョイ
努力。終始一貫して、ビジョンと情熱をもち、全力で取り組むことの大切さ。困 っている人を決して見過ごさないこと。これが、愛情深い母から、息子である 第 103 代国際会長 ジュンヨル・チョイに受け継がれた価値観です。
韓国・釜山第一ライオンズクラブに40年以上籍を置くチョイ国際会長は、こうした価値観を身をもって実践し、模範を示しています。チョイ会長の公私にわ たる歩みは、幼少期に身につけた勤勉の姿勢に加え、違いを乗り越え、人々 を結び、多様性を受け入れてすべての人との調和を生み出そうとする情熱に よって形作られてきました。軍隊では、若き通訳将校としてコミュニケーションの架け橋となり、国と軍の仲間のために尽くしました。またその後は、事業主として国境を超えたビジネス を手がけ、国際的な信頼関係を築いています。愛に満ち、力強く、献身的な 夫・父としての顔もあります。そしてジュンヨル・チョイは今、国際会長として、 ライオンズがこれまで以上に結束する手助けをしようと立ち上がります。「人々の期待以上の努力をすれば、必ず結果がついてくる」。母が家族に残した教えを胸に、チョイ会長はライオンズという家族を導きます。
奉仕に多様性を
世界中のクラブと地域を一つに
世界は多くの課題に直面しています。自然災害、飢饉、病気。戦争、差別、貪欲。悲しい現実ですが、地球に住む以 上、こうした困難がなくなることはないで しょう。しかし、こうした問題に対し、より画期的で平和的な解決方法、共生に近づく道を見つける可能性があることは、歴史が示しています。一人で立ち向かうのはとても不可能に思えるような課題であっても、140 万人近くのライオンズが集まれば、解決策を生み出すその驚くべき能力に頼ることができます。
友愛。思いやり。包容力。つながり。
あらゆる場所、あらゆる文化背景から集まった人たちの、多様な視点からものご とを見なければ、ライオンズの力を最大 限に発揮して、地域、そして世界の多様な需要に応える奉仕をすることはでき ないでしょう。私たちには、それぞれ、ラ イオンズクラブ国際協会の一員になろうと決めた理由があります。それは、私たちが洞察力、信念、そして他人の気持ちを大切にするから。私たちは、一致団 結しなければ到達できない、より大きな「善」を実現するのです。
140万人のメンバーは千差万別です。 そしてこの違いこそが、私たちの強み。 私たちを偉大な団体たらしめるもの。 私たちをライオンズたらしめるものなのです。
国際会長 ジュンヨル・チョイ
”善意の連鎖”
「恩送り」の精神生涯にわたる奉仕が始まった瞬間
朝。若きジュンヨル・チョイは、釜山のオフィスで座って仕事をしていました。静かなオフィスには、タイプ音、紙をめくる音、引き出しの開け閉めの音だけが響いています。しかし事件はその時起こりました。階下の表通りから、ガッシャンと大きな音がしたのです。チョイが窓から下を覗くと、年の頃17、8の牛乳配達の少年と自転車が倒れているのが見えました。牛乳ビンは割れ、少年がなすすべもなく見つめる中、牛乳が歩道を流れていきます。
チョイは飛び出して行って、「大丈夫か」と尋ねました。少年は「大丈夫です」と答えましたが、大丈夫でないことはチョ イの目には明らかでした。少年 はたった今、ただでさえ高価な 牛乳を、何本もパーにしたので す。給料をもらえないのはもちろん、借金をしなければ弁償できないかもしれません。「いくらかかるんだ」とチョイは尋ねました。誇り高くも謙虚な少年は、言いにくそうに答えました。「30万ウォン(約3万円)」。
チョイは財布を取り出すと、その金額を少年に手渡しました。最初はためらった少年でしたが、最終的には受け取りました。「ありがとうございます」と少年は言いました。「このご恩をどうやってお返しすればよいでしょう?」チョイは答えました。「お金で返してはならない。その代わり、君が他の困っている人を助けること。そして、これから毎日、自分ができると思うよりもっと懸命に努力をすること。それが私への恩返しだ、わかったかい」。少年は頷くと、自転車に乗り、手を振りました。少年の後ろ姿を見送りながら、若きチョイは、彼がこれから本当の意味で向かう先へと思いを馳せました。
ライオン誕生
奉仕を分かち合うことの重要性
韓国には、5,100万人以上の国民全員に共通する信念があります。それは、すべての人が尊厳を持って生きるべきであり、誰も が人として最低限のニーズを満たされるべきだという考えです。その根底にあるのは、善行は一回きりの行為ではなく、日常の重要な一部であるという考え方なのです。
人に尊厳を与えることは、韓国人にとって基本的な概念です。 しかし、この牛乳配達の少年との出来事は、チョイ会長が奉仕 を単なる義務としてではなく、自分の使命として捉えた瞬間でした。このエピソードは、ともすれば誰にも知られることはなかったでしょう。それは、韓国の文化では奉仕はひっそりと謙虚に行われるべきものであり、ひけらかすようなものではないからです。
チョイ会長も、他のライオンズと同様、注目集めで良いことをしたわけではありません。牛乳配達の少年への親切は、単にやるべきことをやっただけのこと。 無私の奉仕は、ライオンズにとっては当然のことです。私たちは皆、自分より大きな何かとつながっています。私たちは、自分の努力を、より大きな「善」に注ぐことに決めたのです。そのおかげで世界はよりよい場所になります。人目につかないところで良いことをするのが、チョイ会長をはじめとするライオンズの性質ではありますが、私たちの活動を伝え、その成果を祝うことも大切です。
生涯をかけた奉仕にチョイ国際会長を駆り立てたこのエピソー ドと似たような体験を、世界中の多くのライオンズがしているはずです。そうしたストーリーを分かち合い、地域社会や世界において、想像力を、そして奉仕の精神を刺激し呼び起こすことは、大切なことなのです。
奉仕のかたちは多種多様
今年度優先される世界的な取り組み
スペシャルティクラブ
ライオンズは地域社会の幅広いニーズに応えていますが、特に最近では、趣味や社会属性といった共通点を持つ仲間や、一つの奉仕分野のために集ま った有志で結成されるクラブが増えています。スペシャルティクラブは、共通の 趣味や関心事をもつコミュニティにつながる機会
を与えます。それによって会員数が増えれば、ライオンズは一層大きな奉仕を行うことができます。
幅広い年齢層のメンバー
ライオンズには、あらゆる文化背景、社会属性、年代のメンバーが集っています。今年度、若者にも高齢者にも奉仕に参加してもらうことで、私たちは今日、そして明日のクラ ブを元気づけることができます。人々を一つにし、それぞれのスキルや経験を活用しつ つ、あらゆる人が入りやすいクラブづくりを目指すのであれば、この世代を超えたアプローチは欠かせません。
グローバル重点分野
ライオンズが世界規模で取り組む新たな奉仕分野が発表されたことで、人類が直面する最も切迫した課題に、世界中のライオンズが一丸となって立ち向かう新たな機会が生まれました。今年度は、すべてのクラブに、自分たちの奉仕事業の範囲を広げ、用意されたリソースを活用して、これまで以上に大きな貢献を地域社会にするよう呼びかけてまいります。
奉仕の道のり
学ぶ、発見する、行動する、祝う。これが、新登場「奉仕の道のり」の四段階です。「奉仕の道のり」は、ライオンズがグローバル重点分野にまつわるさまざまな情報資料にアクセスし、奉仕のインパクトをさらに拡大することのできる、包括的な道具です。私たちは、奉仕する時、成長しま す。そして、私たちは決して歩みを止めてはならないのです。
国際財団の支援
キャンペーン100は、ライオンズクラブ国際財団が3億ドル達成を目指す3年間の資金獲得キャンペーン。世界中のライオンズの奉仕に力を与えることが目的です。キャンペーン2年目に突入する今年、一人ひとりにできる範囲での寄付を勧めることで、勢いを保ちたいところです。私たちが力を合わせれば、ライオンズを最も必要とする地域社会に、長期的な変化と、いつまでも残る希望をもたらすことができるのです。
世界に奉仕するライオンズ
多様性でクラブと地域を強化する
多様性は、ライオンズの単なる特徴ではありません。成功のカギとなるものです。リーダー、メンバー、そして奉仕を多様化することで、クラブをより元気にし、地域にさらに大きなインパクトを与える方法 をご紹介します。
率先垂範するリーダー
偉大な成功の中核には、つねに偉大なリーダーが存在します。今年度、私たちはこれまで以上にリーダー育成に力を注ぎます。ライオンは皆リーダーです。すべてのライオンが確実にリーダーシップを養う機会を得、すべてのリーダーが確かな研修と支援を受けられるよう、注意を払う必要があります。
メンバーこそ私たちのコミュニティ
入会を希望する人は皆、その人だけの経験、スキル、視点を持ち合わせています。それを新会員が持ち寄ることで、ライオンズは地域にいっそう多くの奉仕を提供できるのです。すべての人の中にある 良いものを認め、世界に貢献したいと願う人が皆ライオンとして奉仕するチャンスを得られるようにしましょう。
奉仕を拡大しよう
私たちの隣人、地域社会、そして世界のニーズは大きなものです。ライオンズが年間の奉仕受益者を2億人以上に引き上げようと目標を掲げたのはそのためです。そこで、グローバル重点分野から一つを選んで取り組むか、地域で最も切実に求められている分野で新規事業を立ち上げることを是非ご検討ください。
偉大な奉仕にはバランスが求められます。世界を住みよい場所にするには、多くの人が一様に努力することが必要です。成功のためには、すべての人の視点が欠かせないのです。
あなたの奉仕にダイバーシティを
良いことを行う方法はたくさんあります。